合唱団で始めてカンタータ(Cantata)という古典の音楽を歌う機会がありました。カンタータというのは、器楽の伴奏に合わせて演奏される曲のことです。初めの頃は、イタリアで作曲されて広まり、やがて18世紀にはドイツで教会で演奏するために作曲されていきます。そのために、教会カンタータと呼ばれるようになります。どこでも演奏される世俗的なカンタータもあります。
主にプロテスタント教会の礼拝用に書かれたのが教会カンタータです。オーケストラの伴奏による合唱(コラール)と独唱(アリア)が交互に歌われます。合唱は礼拝に集う会衆がみんなで歌うものです。歌詞は聖書から引用されます。教会カンタータの中でよく知られているのが、「目覚めよと呼ぶ声が聞こえあり」として歌われるカンタータ140番や「心と口と行いと生きざまもて」という147番です。合唱と管弦楽の響きは素晴らしいものです。おそらく多くの人は、このいずれかをどこかで必ず聴いています。
「聖書の言葉を牧師が説明し、聖書の物語を音楽で再現する」ために、合唱と独唱を組み合わせたカンタータが広まったとされます。特に会衆みんなが歌うことを重んじた宗教改革者として知られるマルチン・ルターの考えに沿ったのがカンタータという音楽です。
今や多くのプロテスタント教会の礼拝において、カンタータは部分的ですが演奏されます。男声合唱団でもこの140番を取りあげました。その頃、私はこれが優れた宗教作品であることは理解できませんでした。わたしの宗教に対する畏敬の念や作曲家の想いがいかに浅薄であったかということです。
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