「音楽は生涯にわたる活動である。」ということをききます。子守歌から葬送曲まで、人は音楽と共に育ち、やがて音楽に送られて地にかえる存在です。
先日音楽療法のセミナーに参加しました。この療法とは「心身の障害を軽減したり回復したり、機能の維持や改善につとめ、生活の質の向上をはかり、問題となる行動の変容に向けて音楽を意図的、計画的に使用すること」だそうです。なんだか難しいことのようですが、要は音楽を鑑賞したり、音楽にのせて体を動かしたり、演奏したりしながら、心身の働きをたかめることのようです。
1980年代に沖縄で「丘の上」という幼稚園をつくったことがあります。そのとき、「リトミック」という技法を知りました。小さい子どもたちに音楽を使うのは幼児教育の基本です。歌をうたうだけでなく、体操をするにも、一斉に行動するときも音楽を使うのです。リトミックとは、「音を聞き、それを感じ、理解し、その上で楽器に触ってみる、音を組み合わせて音楽を作ることの楽しさを身体全体で味わわせ、その喜びの中で、音を出し、奏で、そこから旋律を作っていくことへの興味と音感を育んでいくこと」とあります。まことに長い説明ですね。
丘の上幼稚園では、子どもがやってくるときから、家に帰るまで音楽を流していました。朝は、組曲ペールギュントの「朝」を園内に流しました。教師はピアノが上手だったので、歌うときはもちろん、ゲームをするとき、運動をするとき、あらゆる活動に音楽を組み込んでいました。さきのリトミックの定義を地でいく指導をしていました。音楽療法もリトミックも音楽のもつ情動と体への刺激を大事にすることは共通しています。
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