1967年に制作された映画、「誇り高き戦場」(原題 Counterpoint)は、音楽が権力になにを及ぼしたのか、あるいは権力とは独立した活動だったのかを考えさせてくれる作品です。
第二次大戦中のヨーロッパ。アメリカ人指揮者のエバンズ(チャールトン・ヘストン)は、慰問団として交響管弦楽団をひきいてベルギーを訪れます。一行が演奏会を開いた夜ドイツ軍の総反撃によって全員捕虜にされてしまいます。ルクセンブルグのドイツ軍司令部に送られます。司令部は楽団員の銃殺刑を命じますが、エバンズの演奏に心酔していたシラー将軍(マクシミリアン・シェル)はそれを中止させます。そしてシラーは、エバンズに演奏を命じます。しかしエバンズは敵兵のために演奏することをいさぎよしとせず、断り続けます。そのため楽団員は全員地下に閉じ込められてしまいます。映画の最後では、音楽の価値を理解していたシラーの取り計らいで全員脱出することができたというストーリーです。
音楽とは、権力や戦争、あるいは民族の憎悪を生み出すものとは無縁であったはずなのですが、残念ながら利用されるという歴史を経てきました。音楽はナチズムによってプロパガンダに利用されました。音楽によって民族を同化したり示威したりしました。かつての八紘一宇(はっこういちう)の思想と運動にも音楽は貢献します。「音楽ほど普遍的で、人間の行動に深く影響し、操作的に働く文化的な活動はない」といわれます。が、戦争中のできごとを通して、音楽が権力に果たした役割も忘れてはならないことです。
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.at-mhk.jp/mt/mt-tb.cgi/591












コメントする