「懐かしのメロディー」の一つに「菩提樹」があります。わたしももちろん歌いました。野バラと並んで知られています。シューベルトが作った「冬の旅」という歌曲集にあります。
「菩提樹」というと、音楽よりは映画を想い浮かべるかたも多いかもしれません。同名の映画が1956年に作られました。西ドイツ映画です。この映画の主題は、トラップ・ファミリー合唱団の物語です。前編はトラップ一家がアメリカに亡命するまでの苦悩、続編は亡命後の苦労や成功が描かれています。二つの映画の原名は、ドイツ語でそれぞれDie Trapp-Familie、Die Trapp-Familie in Amerikaとなっています。マリアを演じていたのは、ルート・ロイベリックという見事な女優さんです。憧れの俳優さんの一人です。
「なんだ、、サウンド・オブ・ミュージックと同じではないか、、、」という声が聞こえそうです。そのとおりなのですが、「菩提樹」という映画はその前身となった作品なのです。1965年にサウンド・オブ・ミュージックは作られます。その後ブロードウェイでも東京でもミュージカルでも取り上げられた作品です。
「菩提樹」は、トラップ一家が戦前のナチスの統治下にあったオーストリア時代からアメリカへ渡ったあとの生活を描いています。「サウンド・オブ・ミュージック」は、トラップ一家がナチス党政権下オーストリアでの生活、そしてスイスに亡命するまでの逃避行を描いています。こちらのマリアは、ジュリー・アンドリュースというこれまた素晴らしい演技と歌を紹介しています。
二つの映画のテーマは、音楽を通した家族の生き方とその絆の強さです。音楽は、「日常の会話では表現しえないような思考や情動の表現を可能にする」といわれています。菩提樹とサウンド・オブ・ミュージックはまさにこのことを示す作品です。
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