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福沢諭吉独特の謙虚さ

2010年07月21日 テーマ:理事長ブログ

福沢諭吉の著書を読み直すことがあります。特に「学問のすすめ」は
名著であるだけでなく、現在においてなお実用書です。
慶應義塾の歴史を著す本も読みます。
福沢諭吉の、そのときどきの心理や経営環境を透視するように読み
ます。
「学問のすすめ」の(今で言えば巨万の富、ともいえる)印税収入を
すべて学校運営にまわしたり、いまいましく見ていた官僚になった卒
業生からの寄付を、苦虫をかみつぶしながらも受け取ったり、官立学
校が幅を利かせ、慶應義塾のような私塾生に対しては兵役の義務が
課せられ、学生が官立学校に流れ、義塾の学生数が底をつくまでに
なっても諭吉は洋書を学生たちにひもとくことを止めませんでした。
当時、東京市内の芝(現在の田町)の地主が土地の提供を申し出た
のも決して順風のときではありませんでした。
かといって諭吉は小躍りして喜んだかといえばそうではありません。
いつでも元のところに戻れるようにしたといいます。
彼は人に頭を下げることをしませんでした。そのことで誤解も生んだ
ようです。
頭を下げたときに、優れた学校(および優れた学校を目指す者)は理
想をなくす。
目の前の恩義を提供した人を超えられなくなる。
歴史を刻む学校はときを超え、人を超えなければならない。
教育者が尽くすべき相手、恩義に報いるべき対象は未来である、と
彼は信じていました。

すぐれた教育を行なう学校のもとではだれもが未来に対して謙虚で
なければならない、そのことを私は福沢諭吉から学びます。

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